インナーガレージのある家
インナーガレージのある家
新築
住宅
設計監理:一級建築士事務所KAKINOKI
施工会社:岩井建設株式会社
延床面積:109.73㎡(33.19坪)
敷地面積:242.99㎡(73.5坪)
構造規模:木造 2階建て
所在地 :群馬県
家族構成:夫婦+子供2人
設計期間:8ヶ月
工事期間:7ヶ月
竣工年月:2019年4月
「インナーガレージのある家」は、夫婦と子供2人のための住宅だ。敷地の南には畑が広がり、遠くには西上州の山々の風景を望むことができる。東の隣地にはクライアントSさんの実家があり、南の隣地の畑とは約1mの高低差があった。実家やSさんの車の台数、南の隣地との高低差の影響を考慮した離隔により配置は決定した。
三角屋根のいわゆる家形の住宅よりも生活感のない工場のような外観が好きだというSさん。生活スペースのボリューム、ガレージのボリュームの2つのボックスを組合せた構成とし、外装仕上げはダークグレーの金属サイディングを採用した。シンプルで工場のような外観はSさんの愛車とも似合っている。生活感をなくす為に、玄関は道路からは見えない位置にした。
室内は外観とは相反して、落ち着いた柔らかい印象を好まれ、床や家具、建具は主にナラ材を使用している。床から天井までの南側の大きめのサッシ、玄関とリビングのガラスの間仕切りは、陽の光を部屋の隅まで届け、室内を明るい印象にしている。リビング南側のサッシ上にはバルコニーがあり庇の役目をしているので、真夏の強い日差しを和らげている。
Sさん家族の食事や団らんは座卓。40cm下げられたキッチンに立つと、ダイニングやリビングに座っている家族と目線の高さがちょうど同じになるようにした。キッチンにあるカウンターは、食事の時間がバラバラな忙しい朝に朝食を食べるのに便利である。椅子が必要ないので空間がスッキリし、掃除も楽になる。また配膳も楽である。Sさんのパソコン作業台としても想定して設計した。
共働きのSさん。洗濯は室内干しがメインの為、水回りを物干し場として兼用した。
2階に上がると、広めのウォークインクローゼットのある個室が2つある。バルコニーからの山々の眺めが素晴らしい。
2世帯住宅での生活を経験されているSさんは、戸建て住宅で生活する上で、自分たちにとって必要なもの、不要なものが明確で、考え方もとてもシンプルであった。居住空間は約88㎡(約16.6坪)とコンパクトながらも要望を十分にかなえる家となった。